モーションキャプチャで踊り保存 

たざわこ芸術村DAFのスタッフ

ハイテクとビデオ映像を組み合わせて記録保存へ (2月16日・月)

  モーションキャプチャを使っての踊りの記録シーンたざわこ芸術村のコンピューター部門「デジタルアートファクトリー(DAF)」では八郎潟町の横浜電子工業と東京のマザーズシステムジャパンと協力し合って、全国の伝統芸能をDVD化して記録に残す作業に取り組んでいる。横浜電子工業とマザーズシステムジャパンは伝統芸能をビデオに収録、DAFはアメリカから輸入したモーションキャプチャを使って踊りを分析、複雑な踊りの動きを5つの方向から見られるようにした。ビデオとコンピューターグラフィック(CG)を組み合わせた映像で、踊りを記録・保存し、学びたい時にいつでも映像を見られるようにし、踊りを末永く継承できるようにしているもの。

 昨年は八郎潟町教育委員会が国の「地域情報化モデル事業」として1500万円の補助を受けて町の伝統芸能「願人踊」と「一日市盆踊り」をDVD化するのを手伝った。ビデオで写した映像に加え、モーションキャプチャが実際の踊りを分析、それをCGで描いたキャラクターが踊りの際の足の運び、全身の動きを再現。それぞれ前、左、後ろ、真上、それに鏡に写った姿の5つの方向から見られるようにした。ビデオは平面的な動きしか見せないが、CGで描いたキャラクターは立体的な動きを見せるため覚えやすいと好評だ。

 DAFでは1998年3月、通産省(当時)の「マルチメディア支援事業」の選定を受けて、舞踊の振り付けをコンピューターで立体画像化するソフトウエアの開発に取り組んだ。この開発のためアメリカからモーションキャプチャを導入。モーションは動きを、キャプチャは収録するという意味で、踊る人にセンサーを取り付け、複雑な動きを「点」のデーターで収録するコンピューターの一種。その「点」をCGで立体化して踊りを覚えやすくする技術を開発してきた。モーションキャプチャは恐竜映画「ジェラシックパーク」や「タイタニック」でも活用された。

 このDAFの「動きの3次元デジタル化」技術は02年春、国立劇場の新作歌舞伎「秋の河童」でも取り上げられ、歌舞伎の伝統芸能と最新のCGが舞台で融合したとして話題にもなった。

  八郎潟町の「願人踊」のDVDDAFの長瀬一男さん(50)と海賀孝明さん(33)は1月末、富山県の世界遺産に指定されている合掌づくりの村、五箇山に伝わる芸能「麦屋節」「こきりこ節」「といちんさ」をDVD化するため東京のマザーズシステムジャパン社の人たちと共に訪れ、現地の風土や踊りをビデオ撮影。同時にモーションキャプチャで記録してきた。

 海賀さんは「市町村合併が進むと、それぞれの市町村にあった伝統芸能が埋もれかねない。それをビデオの映像と3次元化された映像との組み合わせでDVD化すると、その踊りと歌を覚えたいと思った時にいつでも役立つし、伝統芸能の保存、継承にもつながる」と話す。